カナダでマリファナ解禁


現ジャスティン・トルドー首相の公約のひとつで、今年の6月に法案が通ってから話題になっているカナダの大麻(マリファナ)の合法化。以前から使用されていた医療用マリファナに加え、今月17日からは嗜好用の所持・使用も認められる。

この数ヶ月は、その新規マーケットに向けた新しいビジネスや商品の情報を頻繁に見かけた。

これは先日行ったお土産屋さんで。

大麻イラスト入りの灰皿

スキンケア製品。ホールフーズにて。



マリファナについて特集する雑誌。



「嗜好用」ということは、酒にたばこ、コーヒーと同様、個人が楽しんだりリラックスするためにために利用するもの。

少し前に、カナダの大手チェーン系コーヒーショップ「セカンド・カップ」が、一部の店舗をマリファナショップに転換することを検討中だというニュースがあった。

Tim Hortonsに次ぐメジャーコーヒーショップがマリファナ提供を計画。

ところで、大麻は「マリファナ」、「カンナビス」、「ヘンプ」と称されることがあって紛らわしい。大分類で言えば全部大麻だけど、ざっくり区別をするとこんな感じのようだ。

◆ カンナビス(Cannabis):大麻の植物を差す場合。

◆ マリファナ(Marijuana)大麻の陶酔成分(いわゆる「ハイ」になる成分)によって医療・嗜好目的で使用する、主に乾燥大麻を差す場合。

◆ ヘンプ(Hemp):食用や繊維で使われている大麻を差す場合。

<参考:Green Relief "What is Cannabis Oil?" >


植物カテゴリーで言う「カンナビス」の下にはさらに何種類かあって、「ハイ」になる成分THC(テトラヒドロカンナビロール)またはCBD(カンナビノイド)の含有量もそれぞれ違う。

食用に使われるのは、THC/CBDがごく微量か無い種類の麻。種から採れる良質な油(ヘンプシードオイル=麻実油)は必須脂肪酸が豊富で、むしろ摂取を推奨されている。カナダにはかなりのバラエティのヘンプ製品があるから、私もよく買っている。

数種類のフレーバーがあるヘンプのサプリメント・パウダー

スムージーやシリアルにはオーガニック・ヘンプオイルを垂らす。

大麻は、日本では神事で使われたり、麻袋や麻布、麻縄等、道具や材料として昔からあるものだが、日本土着の麻はTHC/CBDが無いか微量の種類だそうだ。だから具材としての麻に馴染みはあっても、「ハイになるための用途」については、一般的には慣習もないし認められてもいない。

しかし、現代では世界で医療上の効果が認められ、マリファナ利用に保険適用可能な国もある。一般嗜好品としても受入れられつつあり、他の嗜好品に含まれるアルコール、ニコチン、カフェインに比べたら、心身への悪影響や中毒性が緩いという話もよく聞く。

お香を焚いてリラックスしたり、人によってはハイになったり思考が研ぎ澄まされるというマテ茶はオッケーで、それに近い効果を得るマリファナがダメ、というのも確かにオカシイかも?

スピリチュアルな儀式などで先住民が使っていたセージやスイートグラスのお香。気を高め自然と対話していた、、、?

マテ茶で頭をクリアにして作品にとりかかる南米系アーティストは多いと聞く。

一方で、マリファナ自体は悪くなくても、コカイン、ヘロインなどの「ハードドラッグ」への入り口になることや、マリファナ禁止国へ流通を懸念する声も止まない。

ちなみにこの件、日本国籍である者は日本の法律が適用されることがあるため、カナダにいても大麻の所持・使用はしないように、と領事館からの通知メールに書いてあった。

私の興味はヘンプの良質なオメガ脂肪酸や肌にいい麻の布だけだから、その通達に書かれていることは他人事、、、。

私が時々使うヘンプベースのヘアオイル。比較的手にさらっとしているけど髪はしっとり。$20程度とリーズナブルかつ、ケミカルフリー&動物実験フリー。写真引用North American Hemp Co.


しかし、身体に痛みを持つ人が、マリファナによって一時的にでも苦しみから解放されるならば、それは救いであろうと思う。

こちらの知人で長年膝の関節痛を患っていた女性がいる。彼女はカンナビス・オイルの経口摂取によってその痛みから解放され、心まで晴れやかになったという。

そのカンナビスはハイになる成分THC/CBDを含んだものだが、吸引では痛みへの効果はないため、毎晩スプーン1杯のオイルを飲む。(それでハイにはならない)ある一定期間飲み続けたら次第に痛みが消えたとのこと。

私も慢性腰痛&坐骨神経痛で、常に痛みや痺れ・こわばりがある状態なので、彼女の解放感がどれだけ素晴らしいかは想像がつく。その後ネットで調べたら、彼女の言う通り関節炎(Arthritis)には結構効くらしく、その時はさすがに「いいなあ」と思った。

さて、マリファナ解禁で経済効果はかなりあるな、というのは垣間見れるが、時間が経つにつれて、果たして社会にどんな効果・弊害が出てくるのだろうか?

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