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萌える木々、話す木々

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先週末はイースターで連休。天気が良ければ庭仕事を少しでも始めようかな、と思っていたが、冷え込んだうえ雪が、、しかも結構な積雪。。。前日は寒くても快晴だったのに。   4月のカナダはまだ半分は冬。去年も同じ4月半ばに雪がドカッと降った。その時はすでにチューリップや水仙が咲いていて、「ああ、せっかくの花がダメになる~」と心配したのを憶えている。今年はどちらも咲いていないので、少し遅い春のようだ。 この時期の木々は、ほんの少~しだけ葉の芽が膨らんできているが、基本まだ裸の枝のまま。葉も花もない、枝だけの状態の時に、わざわざじっくり眺めることなどあまりないだろう。 しかし私は数年前のある経験で変わった。言葉で表すのはちょっと難しいのだが、、、。 数年前、ちょうど今と同じ4月半ば過ぎ、なじみのない場所で結構な時間をつぶさねばならないことがあった。肌寒いが天気が良かったので、適当に車を走らせて見つけた川沿いの公園を歩くことにした。 高い木がたくさんある公園。ただし木々は葉を出す前で枝だけである。でもなんとなく魅かれて、木々の間―――時には歩道も外れ、一人でじっくりただ歩いた。 歩いている間、私はなんでかわからないけど、ものすごい衝撃を感じていた。まずは、その時の木々の姿があまりにも美しかったから。 雪景色でもなく、新緑や紅葉でもない。ただの枝だけの木々。だからこそ木々の枝ぶりがよく見える。葉が出始めたらあっという間に隠れてしまう木々の骨組み。見ているうちにそれが木とは別なものに見えてきた。 それは、、美しいだけでなく、なんかこう、、、さまざまな生命の象徴・示唆に感じたんだよね。春が来て伸びている最中の細かい枝、独特の曲線が、葉脈、あるいは血管や細胞のように見えたし、また、枝の背後の青い空が、水の中あるいは顕微鏡上の視界のようにも見えていた。 自分が目にしているのは、物体の全体図なのかそれともディテールなのか何度か混乱した。フラクタルのデザインが見上げた空にわーっと広がって、脳が一生懸命二次元で認識しようとしているけどどうにも捉えられない、みたいな感じ。 さらには、、、あくまでも印象、なのだろうが、木と木が話しているようにも感じた。広がる枝は、おしゃべり好きなおばあちゃんたちが身振り手振りで井戸端会議をしているように見えた。 枝の広がる空を