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11月, 2018の投稿を表示しています

A Change is Gonna Come (2) ~生きながらの輪廻転生~

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私はこれまで何度か生活・仕事・居場所を変えているが、その都度新しい人たちと出会い、新しい経験と知識を積んできた。  都市はおろか国もまたいでいるので、それぞれが全く違った世界であり、その都度自分が生まれ変わって新しい人生を歩んでいるようだった。それゆえ、過ぎた時代が遠い「前世」のように感じることもしばしば。 肉体の生死によって生まれ変わりを区切る『輪廻転生』という概念があるが、私が経てきた環境の変化によるリセットは、まるで『生きながらの輪廻転生』のようだ。 一度の生の中で数種の人生を体験できているのはラッキーなことだと思う。そして私には今、また新たな人生が近づいている。数年ぶりの、あるいは数年ごとの大きな変化が。 新しい人生、と言っても、それまでの学びを元に作られていくから、そういう意味ではやはりすべて繋がっている。環境が変わっても、主人公はいつでも自分、ということだ。前述の『輪廻転生』でも、肉体は入れ替わっても、魂の使命やカルマは変わらないというものね。 * * * ところで、今迎えようとしている変化とは、転職と引越だ。ここ 1 年ほどチラチラと頭の中をかすっていたことだが、夏の始めに大きな仕事を終えた時、「今だな」と思えた。 それから就職活動を始め、少し前に決まった。同じ州内だが、トロントから少し離れる。引越しも初勤務も実は 1 週間以内だが、新しい話は追々書くとして、今は変化とタイミングの話に絞りたい。 私はカナダに来て約 5 年だが、今振り返ってみると、その前の東京時代を含めて、つまりニューヨークから日本へ戻った 2011 年(震災のあった年だ)をスタートとするこの 7 年が「ひとかたまり」だった気がする。それまでのベースであったニューヨークが突然自分の世界からなくなり、強制的に別なベースを求めた、模索の 7 年だ。 ただ、そこで本当に潜んでいた問題は、ニューヨークにいる・いないではなく、そもそも私が次なる人生の確固たる目標を見つけていない、ということだった。帰国によって尻を叩かれ、東京で働きだしたものの、あのままニューヨークにいても、この 7 年は「目標を求める時代」になっていただろうと思う。 NY・LICの夜景 また、厳密に言うと、具体的な目標

雨のモントリオール(不完全燃焼編)

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トロントのあるオンタリオ州の東隣はケベック州。そこはフランス文化が息づき、フランス語が主で使われている。最大都市モントリオールは、そのヨーロピアンな街並みなどが好まれ、観光地として人気だ。 私もとても興味があって、 2 年ほど前に初めて訪れた。そのことをブログに残していなかったのだが、行ったのはちょうど本格的に冬に突入した今頃、 11 月終わりだったので、ふと思い出して今さら書こうとしている。 当時ブログに書かなかったのは、その旅が不完全燃焼に終わったから。なぜなら、 1)そもそも、とあるマイレージの使用期限が眼前に迫っていて、急遽決めた旅行だった。 2)仕事の都合で、国内近距離かつ、ほんの 2 泊 3 日(しかも初日は夜到着につき正味 2 日)で行ける場所に限定されており、フライト約 1 時間で着くモントリオールが一番手頃だった。 3)行くことは決めたものの、訪問スポットを事前リサーチするヒマはなかった。 4)行ったら行ったで、滞在中ずっと雨だった(泣)。濃い霧も出たうえ、ものすごく冷えていた。 5)滞在中、急なタスクが入り、時々ホテルかカフェで仕事をする羽目になった。   「じゃあ行くなよー!」って自分で言いたくなるくらい条件が悪かったが、マイルを無駄にしたくなかったのと、ちょっと家から離れて気分転換したかったこともある。「何がなんでも、どうしても行きたい!」って時はあるのだ。 本当は私だって、初モントリオールは万全の体制で行きたかったが、とにかくそんな状況の中、無理やり決行。 それだけ短時間となると、回れる場所は限られている。古いヨーロッパ風の建物が並び、多くの観光客が訪れる旧市街にホテルを取り、そこからすぐに行けるところだけ行くことにした。 朝。まずはどこかカフェで朝食をとるため、少し歩いた。 いかにもフレンチな可愛いカフェを見つけ、ぶらりと入った。おお、私の大好物のアーモンド・クロワッサンがあるではないか!迷わず注文したが、デカい! 大きすぎて食べきれなかったのだが、バターと砂糖たっぷりの濃厚なクロワッサンはとても美味しく、空腹の私を満足させた。あとで知ったが、この店かなり有名な店だった! Maiso

秋から冬へ 2018

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前回のエントリは続きがあるけど、それはもうちょとあとで。 今は、 完全に終わってしまった秋と本格的にやってきた冬の、その移り変わりをゆるりと記しておきたくて。 さようなら、 2018 の秋! 先月 10 月半ばにまだ紅葉が残る中、最初の雪が降ってその後数回降った。それらは長く残ることはなかったけど、なにせ気温は氷点下だから寒いのなんのって! ロウニン用の水を外においてたら朝凍ってた! 真冬になればマイナス 20 ℃前後にも慣れちゃうのに、冬になりたての頃はマイナス2,3℃がものすごく寒く感じるんだよね。 でも、、、来たる極寒に恐れを感じながらも、秋よりも数段冷たい冷気は、清らかで新鮮な気持ちにもさせてくれる。また、そんな寒さの中でも陽の光が身体にあたると、じんわりした独特の温かみがあり、またまた太陽の偉大さを感じたり。 太陽の光は常に強力! 特に北のコテージに滞在中は、そんな自然の感覚を直に味わいたくて、ブルブル震えながらあえてデッキでコーヒー飲むことも。ビタミンD不足の私としては、出来るだけ陽の光を浴びたいし! 氷点下の中、あえて外で。 朝はデッキの表面も落葉も凍っていて美しく、運河の水は、外気より暖かいのか、蒸発している様子も見れる。 鮮やかな色のまま凍ったメープルのカラフルな葉と戯れたり。たとえ寒くても、こうやって季節を味わう瞬間は、私がひとり静かに興奮する、トキメキの時間でもある。 雪とメープルのコラボ ロウニンを使って色見本作成! ただし、そんな悠長にしているのは朝のひとときだけ。現実に戻れば、この季節は大量の落葉の片付けが待っている。この秋は 3 回くらい芝刈りマシンで作業したかな?   綺麗にした日の夜に風が吹いて、あっという間にまた落葉が庭を覆ったときはがっくりしたっけ、、。 片付けだけでなく、集めた葉で腐葉土も仕込むから、かなりの肉体労働!まあ、いい運動と思えばいいか。 エンドレスな落葉掃除、、、。 それから、家庭菜園の片付けなぞも。残っている根菜やハーブは、葉が雪をかぶったり、数回凍ってしまったけど、その後復活。セロリやビーツ、ニンジンにパセリと、シャキッとしたものが

A Change Is Gonna Come (1) ~ 過去を振り返る時 ~

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しばらく頭になかったし、しばらく訪れてもいなかったけど、この2,3週間、ニューヨークにいた頃の自分を思い出すことが多かった。 留学初年(2004年)の今頃撮ったセントラルパーク それは今、私が人生のある変化を迎えつつあって、先のことをいろいろ模索しているからだ。先のことを考える時というのは、「じゃあどうやってここまで来たか」と、自然に過去を振り返ることにもなる。 そういう内面の話はまたあとで書こうと思うが、偶然にも同時期に、自分の外側からも、ニューヨークを思い出させられたことがいくつかあったので、まずはそちらの話を。 1) アメリカ大統領選中間選挙 今週の中間選挙で、自分がアメリカにいた 2008 年にオバマ氏が初勝利したときの本選挙を思い出していた。今のトランプ政権の動向を気にするよりも、「あれから 10 年か!」という想いで感慨深かった。 2008 年 11 月 5 日の ニューヨーク・タイムズ 紙。 (私はこの日得た新聞を今でも保存している!) オバマ氏の登場は歴史的だったが、私の人生の中でも、ちょうど大学で公民権運動を学んだり、人種・民族問題について人々の意識が高い社会にいたタイミングと重なったことが、幸運に思えてならない。 キング牧師やマルコム X が公民権運動を展開していた頃、人気黒人ソウル歌手のサム・クックが、 ボブ・ディラン『風に吹かれて』に触発され、 人種平等社会を目指してリリースした『 A Change Is Gonna Come ( 1964 ) (変化の時はやってくる)』という曲がある。少し前に亡くなったアレサ・フランクリンも歌っていた曲だ。 この中で彼は、 ♪  It's been a long,a long time coming (ここまで来るのにとても長い時間かかった) ♪  But I know a change is gonna come, oh yes it will (でも僕は知っている 、 変化の時は必ず来るってことを、、、 ) というフレーズを繰り返し、情感込めて歌っている。 オバマ氏が登場した時、多くの人々が、サムが歌った「変化」がようやくやってきた、と感じただろう。そして人々