投稿

9月, 2023の投稿を表示しています

世界はどこへ行く

イメージ
8 月の初めからすでに商店ではハロウィングッズや秋のデコレーションを売り始めていたが、ついに実際の季節が追いつき、今や街は紅葉で彩られ、民家の玄関先にはパンプキンが置かれている。 カフェならパンプキンスパイス・ラテやパンプキンマフィンが前面に。スーパーもそう。何かとパンプキン味の食品が並ぶ。 夏から秋への変化は1年の中でも特に早い気がする。常に2か月先を行くコストコや1ドルショップは、今はもうクリスマス商品を並べている。それらを見ると一気に「年末」を感じる。 それにしても、今年は、世界のあちこちからくる自然災害のニュースを多く聞いた。気候変動が加速しているのか、年々ひどくなっている気がする。 私が勤務する会社はフランチャイズ・ビジネスなので、日々北米あちこち(時には中東)のセンターとやりとりする。 北米で勤務し始めた10数年前から、業務上時差をやりくりするのは慣れているが、最近はあまりに多い自然災害のニュースも頭に入れておく必要が出てきた。 例えば、カナダ東南、アメリカメイン州の東側にあるノヴァ・スコシア州のとあるセンター。 春から夏にかけて山火事が迫り、一時避難を余儀なくされた。その1か月半後、今度は悪天候による洪水。 テキサスの熱波、フロリダの台風など、現地センターのオーナーと話す際、まず安否を気遣う機会が何度かあった。 そうそう、インディアナ州にいる知人もこれまで来たことのない竜巻で家が半壊。私のいるエリアも、見たことのない大きさ・量の雹に見舞われたっけ。 自然災害だけでなく、世情も不穏になってきている気がしてならない。アメリカは政治的に分断され、銃による事件や差別は悪化、ドラッグ問題や暴動もひどい。 SNSが発達して、以前からある問題がさらに目に見えるようになったから「悪いニュースが増えた」と感じるのかもしれないが。 平和だったカナダも、最近はアンチ・トルドー首相の風潮があり、トロント付近では犯罪も増加、経済も高インフレで人々は不満気味。移民受け入れで人口が増加しているが、住宅や医師や先生の数が追いついていない。 。。。なんだか希望あるニュースが少ない気がする。。。 せめて自分がワクワクすることをしよう。なんだろう?今なら森のウォーキングかな!

風に吹かれて 2023

イメージ
五感 ー 視覚、嗅覚、触覚、聴覚、味覚。三週間ほど前、そよ風がさらっと私の顔や腕に触れたとき、懐かしさとともに秋の訪れを認知した。そして思った。「この感覚はどこからくるのだろう?五つの感覚のうちのどれから?」  冷静になれば、それは肌で感じたから「触覚」だと思えるのだが、実はそれを思いつくまでしばらくかかった。  なぜなら「冷たい」とか「秋特有の匂い」などという反射的、本能的な認識より先に、「懐かしい!」「あれ、これ知ってる。なんだっけ?」と、昔の記憶を辿るような脳の動きを先に感じたから。 音楽や匂いが記憶と結びついているのは、体験的に知っている。今回は肌で感じた風が記憶を探りにいったのだろうが、他の四つの感覚からの認識とちょっと違っていて一瞬混乱した。  結局、具体的な記憶にたどり着いたわけでもない。一年ぶりの秋の空気を懐かしいと思っただけなのかもしれない。 風による記憶 ー 私には印象的な風による記憶がひとつある。以前ブログで書いたような気がするが、それはニューヨークの五月の風。  私はセントラルパークで寝転んで英語クラスの宿題をやっていた。その合間に、その日の午前中のクラスでのちょっとした出来事を思い出していた。 出来事という程でもない他愛のない事なのだが、隣にいたメキシカンのクラスメイトが、なんの脈絡もなくふと私の髪を触ったのだ。肩の上の髪をそっと一瞬。  セクシュアルな意図は全くなく、ふざけていたわけでもなく、彼自身も意図してないことが起こったような感じで、一瞬髪に触れて、我にかえって(?)ニコッと笑って勉強に戻った。 言っておくが 15 歳くらい年下の、私からみたらまだ子どものような、陽気ですごく性格のいいクラスメイトだ。 「あれはなんだったんだろう?」   午後、芝生に寝転がりながら謎を解くように思い出していた。 そのとき五月の爽やかな風が吹いていた。そしてその風は、新しく生えそろった芝生とまぶしい青空とそのクラスメイトの記憶に結びついている。  彼、今頃どこで何しているかな。まさかあの一瞬の出来事が、風とともに記憶されたなんて、知る由もないだろう。