冬に見る色と春樹氏の本

積もりたての雪が作る風景は美しいとはいえ、だいたい毎年2月を過ぎると、さすがに冬の長さと寒さに嫌気がさしてくる。今週の気温もほぼずっと氷点下で、雪も断続的に降っていた。度重なる雪かきで身体はガチガチ、、、。

白黒の風景の中、白黒のロウニンがたたずむ。

毎日グレーな空と道路の汚れた雪を見ていると、墨絵の中に生きているような感じ。そうすると、時々お店で見るカラフルな商品がやけにビビッドに見える。

どどーんと真っ赤なチャイニーズスーパーの商品。今は彼らのお正月だものねえ。

 
干支の犬ももちろん真っ赤!

ド派手なチャイニーズ・カラーとは別に、衝撃を受ける色と言えば花の色。色だけじゃなくて、気持ちが上がるいいエネルギーを発しているから惹かれるとも言える。吹雪の中スーパーに辿り着いて花屋に寄ると、一気に目が覚めるよう。
 
わあっと明るい気持ちにさせてくれる花の色

その衝撃によって?ついついそのまま花を買ってしまう。これが毎年の2,3月の「冬に飽きた時のパターン」になりつつある。お店もそこらへんは狙っているんだろうな。誰でも春は待ち遠しいもの。

今週は水仙のミニ鉢を購入。明るい色で気分がいい。

そして今回は花のみならず、鮮やかでキュートなピンクに惹かれて毛糸の帽子も衝動買い。冬物セールだったこともあるけど、雪の中で映えるこの色にただただ引きつけられた。(ついでに、後ろに見えるミニエコバックも文字のカラフルさとメッセージに惹かれて購入。なんと1ドルショップで(笑))


ところで、最近ちょっとずつ読んでいる村上春樹氏の「騎士団長殺し」は主人公が画家。花や帽子を買った日に読んだ部分は、偶然にも絵の具や色彩についての描写の章で、「お、プチ・シンクロニシティ!」なんて思ったっけ。

春樹氏の本は前作もそういえば色にまつわる本だった。(「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」彼も何か「色」に惹かれるものがあったのかな。

ところで、話は「騎士団長殺し」に戻るが、主人公が登場人物メンシキさんの肖像画を描く際に、キーになる緑色を「雨に鈍く染まった緑の木の葉」「雨に濡れた雑木林のもたらす緑色」と表現している。

この時、私がここのところ綺麗だなあ、と思っている色と重なった。それは、エキナセア(Echinacea)という植物をベースにしたハーブティーの色。


エキナセアは、咳やのどの痛みに効き、免疫力を高めると言われ、北米の先住民が外用にも内用にも伝統的に使ってきた。私もよくそのお茶を飲んでいる。飲んだとたん身体がポカポカになるから冬にはうってつけ。


そしてこの透明感のある深緑を見ること自体が好きで、しばらく眺めているほど。その色が春樹氏の書いた緑色に近い気がして、「あれ、これも何か繋がっている感じ」なんて嬉しくなった。

とにかく、やけに「色」にちなんだ週だったな、今週は。

こんな風に、色彩を楽しむのが好きな私だけど、目で美しさを愛でることはもちろん、色彩というのは、私にとってバラエティさやチョイス、選択の自由といったコンセプトの象徴でもある。その辺のことはいつかまた改めて書こう。

今は、春が来るまで、お店と本の中にある色たちを楽しむだけだ。

色彩の無い雪景色の傍ら、読書タイムで色を楽しむ(もちろんスイーツも、、。)

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おまけ:
色の話題が出たところで、懐かしの曲をはりつけて締めくくる。色がテーマのこの曲もPVも好きだな。(リリースは15年前の2003年!わお!そんなに前か~。)

宇多田ヒカル COLORS


コメント

  1. こんにちは!冬景色に囲まれた生活でカラフルな色は新たな活気を与えてくれそうですね。私も別件で最近宇多田さんのCOLORSを聞いたのと、出会ったばかりの本屋さんで騎士団長殺しを勧められたので、嬉しかったです。

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  2. こんにちは!冬景色に囲まれた生活でカラフルな色は新たな活気を与えてくれそうですね。私も別件で最近宇多田さんのCOLORSを聞いたのと、出会ったばかりの本屋さんで騎士団長殺しを勧められたので、嬉しかったです。

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    1. わあ!なんだか繋がっていますね、、、。私は「騎士団長殺し」を読んでいる間、ブログで書いたこと以外にもプチシンクロ(いろんな偶然の一致)がバンバンあって「なんなんだ、この本は!」と、小説以上の何かを感じました。kyokoさんにまで繋がっていたのかも!

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