To the North

「北」、と聞いたとき人々はまず何を思い浮かべるだろうか?

私は、北極星がキラリと光る夜空の下、どこまでも続く氷の上にホッキョクグマがたたずむシーンが浮かんでくる。

目に浮かぶシーンが人それぞれだとしても、北半球で生まれ育った人なら、「寒い」「雪」「氷」のいずれかは入っているのでは。私はそれに加え、ダーク、シャープ、なんて形容詞も浮かぶ。

また、アジア人なら「北枕」「北朝鮮」を連想することもあろう。いずれにせよ「北」は、あったかくてワクワクする感じではなさそうだ。

そんな寒々した印象の「北」だが、私の人生はなぜか「北」と縁がある。

雪国・新潟で生まれ育ち、最初の勤務地は少し北東へ行った仙台だった。その後、緯度で言えば青森くらいのニューヨークへ留学&勤務。いったん帰国し東京で仕事するのもつかの間、今度はニューヨークよりさらに北のカナダ・トロントに仕事を得て移動

地理や気候で選んでいるわけではないのに、気づいてみれば転機のたびに北へ北へと動いている。なんと東京がこれまでの「最南端」である。(そしてそれは長く続かなかった、、。南へ向かうのはダメらしい!?

確かに東京では冬でも暖かく感じたし、長靴の要らない冬が不思議に思えた、、。私は寒くて凍えていることが「通常」なのか?

そういや、以前勤務した会社のひとつには「北」という文字が入っていた。ここでも縁が。命名者曰く、北に向かう=地図上では上へ上へと上がる=ビジネスの業績も上へ上へ、とかけたそうだ。なるほど、こういうポジティブな「北」もある。

そして、私が今勤めるトロントの会社は、私が入社してすぐに、トロントからさらに北へ2時間くらい行ったところのあるビジネスを買い、私はその北の勤務地へも頻繁に行くことになった。また北、である。

次に転機が来たらアラスカか北極か!?

カナダの冬は長く、今でさえ1年の半分以上は寒い時期を過ごしているのにもっと北へ?
しかし、最近になってようやく「北へは来るべくして来たのかな?」「北の何かが私を引っ張ってる?」なーんて思えてきた。それは、、、。


それを綴っていくのがこのブログ。キーワードは「自然」。

宇宙や科学という意味の「自然」でもあれば、景色や野生の動植物を指す「自然」でもあり、いわゆる「超自然」である目に見えない存在や作用をも含み、はたまた無理をしない、心のままに、の「自然」の意でもある。

今この地で気づいたこと、ようやく解ったこと、思い出したこと、新たに出会ったことを、日々の出来事も織り交ぜながら書き留めていきたい。書いていくうちに、過去・現在・未来の自分がつながり、いつか北へ北へと辿った理由がわかるかもしれない。

2016.8.15、日本の終戦記念日になぜか「ブログを始めるなら今日だ!」と突き動かされ、慌ててスタートを切る涼しい夜に。

Yasuko 

コメント

  1. Takako Mobley6/17/2017

    Yasukoさん、こんにちは。今、偶々Colorsを訪れて、Yasukoさんがブログを再開されたことを知り興奮しています。Colorsのときはいつも楽しみにしておりました。過去に一度だけお便りしたことがあります。トロントはわたしも大好きです。一度だけ、旅行で行ったことしかありませんが、NYをきれいにしたようなところだなと感じました。これからも楽しみにしています。楽しみが増えてうれしいです!

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    1. Takakoさん、コメントありがとうございます。NY時代からこちらに飛んできてくださって嬉しいです。「NYをきれいにしたようなところ」、、、まさにその通り!ヨーロッパの基本文化に多様性が加わったところや街の様子が似ています。(実際NYとトロントは近いですし、、、)今度はカナダ日記にぜひお付き合いくださいね。

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