Year of NO
ロックダウンと雪に閉ざされた新年。こちらの正月はクリスマスほどの盛り上がりはないから、どちらにせよ普通の週末とあまり変わらなかった。暮れは31日の夕方まで通常勤務だったし。
それでも新年の抱負の実行とばかりに、3日坊主になる可能性を知りながらもヨガのオンラインコースを始めたり、クリスマスにいただいた本で読書も開始したり。（お供はクリスマスクッキー！）
そして、最近はあまり見なくなった占いなぞ久々に読みつつ、今年はどういう年にしようかな、などと思いも巡らせた。
占いによると、私は今年から新しい世界に向かって準備を進めていくそうだ。「やはり」と思った私。だってそれを読む前からすでに私の中でじわじわと起きていることだったから。
今年は4月で50歳になる。心身ともに健康で自由に動ける期間を75歳までとすると、50歳は人生3分の２の折り返し。そう思ったら一つの方向性が見えてきた。
おそらくこの年齢くらいなら、誰もが同じところに行き着くのかもしれないが、それは既存の概念にとらわれず、「より心のままに」「より本来の自分に沿って」日々を送るということ。
物心ついた時から私たちはすでに現代社会の仕組みに組み込まれていて、その中で「良し」とされる生き方やゴールを目指して走り続けている。「この年代なら」「この経歴なら」「女性なら」など、無意識のうちに社会や周囲の期待に応えているのだ。
しかし数年前から私は、人間社会はある一つの小さな世界でしかないという認識が強くなり、そこにだけ合わせて生きることは、自分を枠にはめているような、ごく窮屈なことだと思えてきていた。
それはカナダに来てから動植物や自然の美しさ・偉大さ、科学、はたまた菌の世界にまで触れたことが大きい。
カナダの広い空と迫力の雲
そもそも社会問題自体、狭い人間社会の中だけで起きている、あるいは人間社会だからこそ起きていることが多く、それを解決しようとしても、何かこう、、、限定的な気がして。
人間は広い広い宇宙の中のいち生物でしかないという視点の下では、人間社会の中で起きている争いや偏見はごく小さなこと。だから、それで苦しんでいる人がいると思うとなんだか切ないし、もったいない。
これまでの自分は自分で精一杯やってきた。自分の意志で留学したり、大学へ行き勉強し、仕事の経験も重ね、社会貢献活動もしてきたが、今思えばそれらもまだまだ狭い世界。
最初のスタート地点から見ればすごく遠くまで来ているように思えるが、進めば進むほどその先にまだまだ広い世界、さらには届かない世界があることに気づく。
自分がこの先何をするのか何がやってくるのかわからないけど、今は既存の価値観や、人間社会だけのルールに囚われたまま人生が終わることのないよう、自分の意識や好奇心をバーンと解放したいと思っている。
新年一発目のこのエントリを「Year of NO」（「ノー」と言う年）と題したのは、そういう気持ちから。「こうでなきゃいけない」「こうあるべき」「これをやらなきゃ」といった既存の価値観や制限に対して「ＮＯ」と自分が言うために。
自分自身のキャラクター評価にも同じことが言えるかもしれない。「自分とはこういう人間だ」と認識している「自己」も、自分の生来の資質から来ている部分と人間社会の縛りの中で作り上げられた部分とがあると思う。
社会の中で役割を演じている自己の部分には一旦「ＮＯ」とリセットし、元々備わっている自分の資質の可能性を広げることにもトライしたい。（前者と後者がうまく識別できたらの話だけど）そしたらこの世で、あるいは自分自身の中で、出会えることがまだあるような気がするのだ。
普段の生活の中でもそういったチェンジのきっかけはあるかも。働き方や人付き合い、自由時間の過ごし方や服装、持ち物、食生活に至るまで—―。「こうあるべき」という決めつけを一旦外してみたら、実はもっとベターな方法や面白い発見があるかも。
この世の中で生きていく以上、現実的には何かしら働いてお金を得て生活していくことは変わりないだろう。でも、内面的には徐々に変わっていくと思う。
少しずつ減ってきている残りの人生、もう今からは、ずっと先の将来のために経験を積むとか何かを貯めるとか、若い時ほど考えなくてもいいのだ。ようやく「今」を思い切り生きる時が来た、と言えるのかも。
皮肉にもコロナでもたらされた制限が、多くの人に、何が大事で何が要らないかの取捨選択を考える機会を与えていることだろう。
例えば、「もし1週間後に人生が終わるとしたら？」
そんな究極の仮定を自分に投げかけてみると、自分が求めていることを知るきっかけになるかも。
今世の中はコロナだけでなく様々な問題を抱えているが（今日はアメリカ国会議事堂の占拠騒動！）私は比較的安全なこの地で、特に家にこもる冬の間、自分の進む道をじっくり考えたい。春が来たら新しいエネルギーと共に躍動するために、、、！
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