カナダ・デイ2020 ~カナダで働く~


おととい7月1日はカナダ建国記念日『カナダ・デイ』だった。今年はコロナウィルスの影響でイベントはほぼキャンセルされているけど、近くのコミュニティがやっているごく小規模の花火の音だけは聞こえた。


日没直前の夏の空

カナダ・デイにちなんで、今日はカナダで働く環境について書いてみよう。といっても些細なことだし、すでに過去のどこかでちらほら書いてきたことだが。

こんなネタをふと思いついたのは、先日電話でモントリオールのお客さんと話していて、フランス語訛りの英語がとっても聞きづらかったから。(相手もノンネイティブの私の英語に苦慮しただろう笑)

フランス語がしばしば登場するのはカナダならでは。フランス文化圏のケベック州からの電話にはいつも苦労する。

国としては英仏が公用語で、トルドー首相も会見で自ら英仏交互に話すが、ケベックの小さいビジネスだとフランス語のウェブサイトしかないところもしばしば。(グーグル翻訳に感謝!)
 
トルドー首相。とある雑誌で。

ケベックと違い、オンタリオ州都市部は、街並みこそイギリス色が濃いものの、住んでいる人は多国籍だからいろんなクセのある英語を聞く。これはこれで移民の多いカナダらしい特色。

もちろん、世界の多くの大都市は多国籍・多人種がいる。特にチャイニーズとインディアン系はどの都市にも多いだろうが、ここは中東系も多い気がする。仕事で会う業者さんも中東系が結構いる。逆にニューヨークに多くいたヒスパニック、アフリカン、カリビアン系はあまり見かけない。

そうそう、話す英語にクセがあろうがなかろうが、書く時は書く時でカナダ流のスペルが要る。「小切手」は、アメリカではcheckだが、カナダはcheque。「コールセンター」の「センター」はCenterでなく、CentreLaborLabourとか。

年に1回、カナダ・デイにかぶる帽子

ところで、カナダはこの広さや資源を生かした第一次産業、第二次産業も多いが、いずれもアメリカとの関係が深い。NAFTA(名称変わったけど)繋がりであることはもちろん、文化や慣習が似ているし、同じ国内感覚でいろんな取引がある。

ただし、人口比等でカナダの市場はアメリカの10分の1。新製品を出す際に、まずカナダで試して様子を見てからアメリカで大々的に販売、というケースもあるようだ。ほぼ同じ生活文化・商習慣だから、テスト市場としてちょうどいいらしい。

自分の日常業務を見れば、確かにアメリカとのやり取り、輸出入、米ドルでの請求や支払等も頻繁。時々間違えて、アメリカのお客さんにカナダドルで話しちゃったり。

さらにやっかいなのは単位が違うこと!仕事上ではlbs/kgmile/kggallon/litter、華氏/摂氏をしょっちゅう換算せねばならず。アメリカよ、Metric System(メートル法)採用してくれ~。

それから、これもカナダはアメリカ同様、同じ国の中で違うタイム・ゾーン(カナダは6つ)があること。また州によって祝日が違ったり。他州とやりとりするときは、これらを考慮せねばならない。


ビジネスだけでなく、社会全体に言えることだが、多様性を受入れる風土があり、マイノリティを守ろうとする制度や移民向けのサービスも進んでいるのはとてもいいところ。政府のサービスもオンライン化・簡素化されていて早い。基本的な医療はタダ。

そういや先月はLGBTQ 月間だったが、LGBTQにも寛容。(おおうにして、であって、まだ保守的な地域やヘイトクライムはある)パスポートや公的書類では性別を言いたくない人は言わなくてもいい。言語上でも、政府系や大企業、ニュースなどはHeとかSheとか特定せず、The personなんかに置き換えて使うことも多い。

「”性別”よ、さらば!」

カナダの人たちはおおうにしてやさしく、のんびりペース。今のところギスギスした人、アグレッシブな人には会っていない。逆にゆったりしすぎていて、仕事が予定どおりに運ばないこともあるけど。

私がニューヨークへ行った頃のように、何かを得たい、ガンガン飛ばしたい時期には、緩くて物足りないかもしれない。でも今の私にはちょうどいいかも。

凍てつく冬は、フロリダかメキシコ、カリブへ行き、夏は湖近くのコテージにステイし、ボートやジェットスキー、キャンプなどを楽しむ人が多い。大自然がごく身近にある。 

夏は湖へ。海は無いが湖は多し

祝日の週、夏やクリスマスに長く休むことも当然。(私の今の会社は365日生産業なのでそうではないが。)何か他社とやりとりしていて締め切りモノなぞあったら、そういう時期気をつけねばならない。担当者が休みで物事が止まっちゃうから。

カナダはカナダでもちろんいろいろな社会問題はある。厳しい冬もある。でも総合的に見ると、豊かで安全リベラルで住みやすいと思う。特に今のトランプ政権下のアメリカや窮屈な日本と比べたら、、、。

人気TV番組「The Handmaid's Tale」の中では、アメリカがディストピアな世界で描かれている反面、カナダはまるで対局のユートピア。カナダ人作家による原作だからかもしれないが、あながちフィクションでもないところがある。

さてさて、カナダ・デイは知人宅の庭で食事会。といっても各自離れて&食べものもちよりの「コロナ・バージョン」だけど。

ホットドッグを焼く時も隣の人と距離を取って、、、。

Happy Canada Day!

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