冬は終われど


まだ時々氷点下の日があるとはいえ、だいぶ春めいてきた。この冬は雪も少なくいつもより厳しくなかったが(マイナス20℃以内でおさまった)それでも長い冬が終わり木々の芽吹きを見ると本能的な喜びがある。

しかし、ここへ書くまでもなく、コロナウィルスによる今の世界の状況といったら。この春は、まったく別物の「春」であることを、しかも世界が同時に経験するとは、、、。



私のいる市はまだ感染者が比較的少なく、ニューヨークほどのカオスはまだないが、テストを受ける人が増えるにつれ感染者数もじわじわ上がってきている。

拡散防止のため、多くの国がレストランも企業も閉鎖している中、ずっと人口密度の高い日本が、飲食店やイベントを続けていたことには驚いていた。ようやく警告が出始めたようだけど、人の往来・接触ですでにかなりの感染がすでにあるだろう。

トロント名所・CNタワーは数週間前真っ先に閉鎖

私の会社は食品生産会社なので、「Essential(必須)」産業にあたり閉鎖せずにいるが、事務系は在宅勤務も可能なので私もそうさせてもらっている。いまや、自分の感染を防ぐ以上に、誰もが「感染させる方」にもなるからだ。

昨日スーパーに行ったが、入口でまず2m感覚で並ばされ、順番に消毒スタンドで消毒してからでないと中に入れなかった。

Social Distancing(社会的距離)はもはや当然の習慣になりつつある。

買い物中も、お店の人もお客も他の人と感覚を開けて動いていた。例えばトマトが欲しくても、先に誰かが立っていたらその人が選び終わるまで離れて待つ、という風に。

また、スーパーはじめ、多くのお店がレジに透明なパテションを設置し、レジ係りとお客さんとの間に仕切りを設けている。

郵便局カウンターの仕切り。アメリカで時々見かけた防弾ガラスで覆われたレジを思い出した。

こうして注意深くEssentialな生活だけを続けていても、完全には防ぎきれないんだろうな。買ってきたものは除菌ワイパーで拭くか洗うし、スーパーのカートやガソリンスタンドの給油レバーも、拭いてから触るけど、そんな隅々まで完璧に拭ききれない!

タッチパネルのセルフレジやATM、銀行のカウンターでサインするときに使うペン、、、触った後に手を洗うか消毒するけど、忘れることも多々。

モノの表面に着いたコロナウィルスは3日ほど生きると何かで読んだが、そうなると人だけ避けていてもダメってことだ、、、。

しかし、ウィルスがもたらした結果の中に考えさせられることもある。ウィルスのために内戦が停まったり、人間活動の縮小化でガソリン使用量が減ったり、自然環境が良くなったり。

Twitter上で、「地球にとっては、実は人間がウィルスでコロナがワクチン」というコメントが流れてきていたが、うーん的を得ていると頷いてしまった、、、。

また、ウィルスが人種や性別などで差別せず誰にも平等に脅威を与えることで、人間の差別行為、あるいは「国」という発想すらも不条理に感じたり。

それからスポーツクラブなどが閉まっているから、ジョギングや散歩をしている人がかなり増えた。考えてみたらそれこそお金をかけずに健康を保ついい方法ではないか。

レストランが閉まり、在宅勤務でもあるので、家で料理する機会も増えた。これも節約&健康的!

ウィルスうんぬんの前に、交通機関や自家用車のない時代なら普段からもっと歩いていたわけで、今は生活様式が変わっただけ。さらに言えば、買い占め問題となったトイレットペーパーだって、昔はなかったのだ。

逆に、インターネットにより、昔なら無理なことが今できている、ということも多々ある。在宅勤務にネット会議、ネット授業や医者の診察、オンラインショッピングに様々な情報取得等々。

ウィルスの蔓延を肯定しているのでは決してないが、こういう非常時にこそ人間と人間活動の特徴、モノやサービスの要・不要が見れるものだな、と感じている。

生命に必須でなくとも、外でのカフェタイムは恋しい。今はカフェ・ファストフードはドライブスルーとデリバリーのみ。

さて、古巣・ニューヨークは非常事態で大変なことになっているが、日に日に感染者数増加中のカナダも他人ごとではない。私のいるオンタリオ州もすでに非常事態宣言・ロックダウンになっているが、いろんな制約は厳しくなる一方。

事実、私の会社で一部作業員がレイオフとなったし、長丁場になれば全員時短もあり得る。政府の企業サポートについても日々ニュースをチェックしておかねばならない。

春がそこまで来ていることと誕生日月の始まりなことで、この時期はいつもならワクワクするのだが、今年はこの異常な事態の中でなんともすっきりしない時間が過ぎていっている。

芽吹いてきた春の植物だけは生命力を感じさせる、、、。

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