NYの人気ファーム『Stone Barns』の農場&野草ツアー

2年前にニューヨークへ行った時の体験談になるが、まさに7月の今頃だったので、ちょうどいいやとばかりにここに書き残しておこう。

ニューヨーク市内から1時間ほど北上したTarry Townという町の北東に、Stone Barns (ストーン・バーンズ)というよくオーガナイズされた農場がある。


このエリアは、かのロックフェラー財閥所有の土地が多いが、その農場も、元々はロックフェラー家の一人の奥さんが牧畜を始めた場所。彼女が亡くなった時のメモリアルとして、改めて開かれたのが、このStone Barns Center for Food & Agriculture。


サステナブル農業、ローカルフード、地域密着をうたった開かれたファームで、NPOの形態を取っている。農業や食材に関連した教育プログラムも豊富。

ここの質のいい食材を使ったレストラン「Blue Hill」(マンハッタン&この農場内にあり)が有名なので、それで知っている人も多かろう。

レストランBlue Hillへ続く入口。
食材が良いだけに値段もそれなり、、!

私は農業、エコ、NPO運営の見地から興味があって、NY在住時からずっと見学に行きたかったが、結局行けないままだった。何年も経って、カナダに移ってからようやく実現。

この農場では毎週のように何かしらのイベントやワークショップが行われているが、私が参加したのはファーム見学とForagingのツアー。

Forage(ファリッジ)は直訳すると「食糧探し」。つまり、山や森の中で野草やキノコ、木の実などの自然の食材を採集する行為。

では、写真とともにまずは農場ツアーに出発!
※ネタバレあり。これから行きたい人はここでストップしてね!

まずは広大な畑へ。ちょっとしたアップダウンがいい風景を作っている。


農場の土地全体は80エーカーだそうだが、、、北米に何年いても「エーカー」という単位ではピンと来ない。田んぼの近くで育った私には「反(たん)」で言ってくれないと!

あとで換算して80エーカーは約328反とわかり、ようやく広さのイメージがつかめた。(笑)

さて、さまざまな野菜やハーブをオーガニックで作っているこの畑では雑草もあえて抜かないとのこと。


そういう農法は聞いたことがある。雑草と競争することで野菜に耐久性・免疫が出来たり、中にはクローバーのように、必要な栄養素を土壌に与えてくれる草もある、とのこと。

これはなんと稲。水田でなく畑で栽培する実験をしているそうだ。一応青々と育っている。


お次は畜産系。平飼いの鶏たち。鶏舎が彼らのアパートメントみたい!? 好きなように走り回っている鶏とその卵は、それはそれは良質なことでしょう。


羊のエリア。羊番の犬もいたけど、どこで遊んできたのか?泥んこだった。


レストランBlue Hillではここのグラス・フェッドのラム肉が供されるようだが、個人的にはこうやって愛らしい動物そのものを見てしまうと、食べることにはちょっと抵抗が出ちゃうな、、、。

こちらは養蜂場。作物の受粉には彼らのヘルプが欠かせない。


所変わってグリーンハウス。連棟で中が繋がっているから広々。これがあるから野菜は1年中採れる。



ハウスの外では、子ども向けのフラワーアートのワークショップが。


ここで一旦ランチ休憩。Blue Hillに行く経済的余裕がなくとも、庶民にはベーカリー・カフェがあり(笑)、サンドウィッチやキッシュ、マフィンなどでここの野菜を食せる。開放感ある半屋外のテーブルでランチ。



さて、午後はForaging。ガイドは、これまでさんざん森を歩いて食べられる野草などに詳しい女性と、レストランBlue Hillのスタッフの女性。


このコンビネーションがとてもいいと思ったのは、野草の見分け方、採取の仕方と料理の仕方を一度に学べたから。あの有名レストランで使われている食材か!と思うと興味深い。

農場内の林の中では、結構無造作な感じで椎茸が栽培されていた。

林の中の日陰に椎茸の原木が。


広い敷地内は沼もあり。

これはシャンパン・ベリー。金色に透き通るベリーで、見た目と同じく繊細な味


いくつかの野草や食用花を、みんなでその場で採取して試食しながら説明を聞いた。

最後はブルーベリーの木々が連なるエリアへ。これも食べていいよ~と言われたものだから、参加者は、喜んでつまむこと、つまむこと!



売店では、農場で採れた新鮮野菜、肉、卵、花が売られていた。ここに住んでいたなら買いたかったが、カナダに戻るため目の保養のみ。他にもキュートな園芸・キッチン用品などが。


ほぼ1日たっぷり楽しめた充実のツアーだった。こういうタイプの農場は、今や各地にあると思うが、美味しくて健康的で学びもあってコミュニティに直結している場は、どんどん増えて欲しいな。



今は自分も野菜栽培していることもあって興味がある分野だ。カナダにもこういう農場があるので近々行ってみるつもり!


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