トロント日本映画祭と日系文化会館
トロントにある日系文化会館で、今週から『トロント日本映画祭(TJFF:Toronto Japanese Film Festival)』が始まった。毎年6月に約3週間に渡って開催されるこのイベント、期間中に日本で人気を博した映画が約30本も上映される。
映画が最新のものでなくとも、こちらにいる日本人や日系人、そして日本に興味がある人にとっては、こうして大きなスクリーンで日本映画が見られるのは貴重な機会。
映画祭初日、仕事の付き合いもあって、オープニング・セレモニーに行ってきた。上映の前には軽く飲食するレセプションも。寿司ブースにはいつも人だかり。
そして日本酒やこちらに工場があるサッポロビールも人気。これらは日系以外の人たちも好きな人が多いからね。
初日に上映されたのは岡田准一主演の『海賊と呼ばれた男』。山崎貴監督がゲストとして来加、彼がレッド・カーペットに登場したときは、とても盛り上がった。
この映画ちょうど観たかったし、上映前後の監督のトークや製作裏話がユーモアあって面白かった!
確かにかなりの敷地に、コンサートホール、イベントホール、展示室、図書室、道場、茶室、売店等が完備され、レストランと幼稚園も併設してある。年間の来館者は20万人以上だそうだ。
落ち着いた雰囲気の受付 |
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コンサートホール。JCCC HPより |
図書室には漫画も多し!いつか1日浸りたい(笑) |
2階のオフィススペースの渡り廊下 |
売店ではおにぎりやお饅頭や日本のスナック菓子が。 |
ここで数多くの文化イベントや、日本語や武道などのクラスが行われているとともに、カナダに移民した日本人やその後カナダで生まれた二世、三世たちの辿ったヒストリーについても常設してある。
例えば、アメリカでも同じだが、戦時中多くの日系人がキャンプに収容されたり、カナダ軍として戦った日本人がいた。
戦争時の日系人の記録 |
大きな道場が2つある |
正直言って、日本にいる時は、日本文化や季節の行事等、さほど気にもしていなかったが、やはり海外にいると「ああ、これが自分の文化なのだよな」と実感させられる。
毎年3月に会館に飾られるひな人形と吊るし雛 |
私の年代でも相当生活が西洋化されて、恥ずかしながら日本の伝統的なモノや習慣について知らないことも多く、こちらの人に説明する際、改めて自国の文化を勉強することもある。
例えば茶道。動作のひとつひとつ、道具のひとつひとつに意味があるではないか。
だから日系会館に来ると、「懐かしい、やっぱりこの和の雰囲気いいな」と思う時もあれば、自分が外国人で、初めて日本を学ぶような、そんな感覚になるときもある。
ミニチュアの江戸時代の街の様子 |
日系文化会館は、私のアイデンティティを感じさせてくれる場所だ。
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