The Right Timing

多くの人が好きなコーヒー。私は朝飲まないと調子が出ないし頭が痛くなるからほぼ中毒状態。

また、忙しいとつい惰性でガバガバ飲んじゃうが、カフェイン摂り過ぎも良くないだろうから、今はそういう飲み方は避け、12杯まで、と決めている。

その代わり、といっちゃなんだが、コーヒータイムは出来るだけ充実したものにしたいと思っている。

家にいる時は、簡易グラインダーで豆から挽く。喫茶店で使うような注ぎ口の細いホーローポットでお湯をぐらぐらに沸かし、コポコポと丁寧に淹れる。

鉄と木箱の昔ながらのグラインダーは実家にあるため、今は細身のステンレス・グラインダー使用。

この作業が、すでにコーヒーを飲む楽しみの一部になっている。挽き立てのフレッシュなコーヒーの香りがふわっと漂うと、ほんわかとした幸せを感じる。

あああ、香る香るこの瞬間!

仕事の傍らにただ無意識に飲むのでなく、コーヒーのために時間を割き、決まった工程を経て、きちんと味わって飲むのだ。それはまるでひとつの儀式。

凝る人は自宅でもサイフォンやいろんなグッズを揃えているんだろうけど、とりあえず私は簡単なドリップ方式で十分。

会社ではペーパーレスのドリッパーで淹れているが、自宅ではまだ紙フィルター。なんだかんだいって、これが一番馴染みのある淹れ方だ。

家には、だいたい数種類のコーヒーを置いている。オーガニックかフェア・トレードのもので、ミディアムローストかダークロースト。

コンゴとペルーのフェアトレード・コーヒー

砂糖は元から使わないが、ファストフードのいまいちなコーヒーのときはクリームを少し入れてごまかす。コーヒーそのものが美味しいときはブラックがベストだ。

ところで、、、本当に美味しいコーヒーとは、どういうものであろうか?

トロント市内のオーガニック・カフェ。

いい豆を使うことはもちろん、前述したように丁寧に淹れることも要素。それに加え、私が充実したコーヒータイムを意識するようになってからつくづく感じることは、、、、

「飲むタイミング」

で、ある。

脳を酷使したあとや、緊張したあと。集中する仕事の合間。そういう、頭や身体や口や喉が最もコーヒーを欲している時に飲むコーヒーこそ、一番美味しいのではないか?
 

休憩時間だからといって、惰性で10時とか3時という同じ時間に飲んでも、いつも美味しいとは限らない。

それよりもひと仕事ガーッとやったあとの区切りや、頭の中の混乱をほどきたいときに、熱々のコーヒーが喉に通った時こそ、最高に美味しく感じられる瞬間なのだ。

朝の一杯目は特に美味い!

それは、暑くて喉が渇いた後に、一口目のビールが最高に美味いのと一緒だろう。たいして喉も乾いておらず欲しくもない時に飲むビールの味とは断然違う。ビール自体は同じなのに。

人生の出来事でもよく「タイミングが大事」と言う。

大きなチャンスや重要な人との出会いが目の前に現れても、タイミングが合わずに掴めないことがある。それらは「縁がなかった」としばしば表現される。

また、ある時の自分には価値のあるモノでも、違うタイミングの時には同じ価値を持たないモノもある。

上記のビールの例がまさにそうだが、中身としては同じなのに、タイミングによって美味しさやありがたみ、幸福度が変わっちゃうのだ。

ミルクたっぷりのラテやカプチーノは、ブラックコーヒーと違い毎日欲しくはならない。飲みたい!という時こそ最高に美味い時。

自宅で作るエスプレッソ。沸き上がるのを待つ時間も楽し。

コーヒーの話から普遍的な話になってしまうが、物事の質とは、その素材や金銭的価値だけではなく、そこに「タイミング」という時間の要素(三次元的要素)が加われば、もっとよいモノ・機会に出会えたり、効果を最大限にしたり、さらにいい気分になれたりするのでは。

おやつと一緒なら、さらにいい気分♪

経済の話で例えるなら、タイミングや時間的要素と言えば「流行」「需要の伸び始め」「将来価値」といったところだろうか。もっともこの場合は、タイミングを人為的作り出す仕掛人が市場にいるのだろうが。

普段の生活の話に戻ると、要は何か惰性でやるのでなく、「やりたいことはやりたいときにやる」とか、「今どうしても欲しているものだけに絞る」とか、「今この人に会うべきだ」とか、「これは今必要か?」など、"The Right Timing" (もっとも適したタイミング)というものを少し意識してみようかなと思う。

今まさに美味しいコーヒーを飲みながら、そんなことを考えていた、、、。

普段は何の印象も持たないファストフードのコーヒーでも、タイミングが合ったときは超絶美味い味に変身!(笑)。バタバタな時間を過ごしてようやく寄った店で飲む熱々コーヒーは、その直後ため息が出るほど美味い。

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