オーガニック・ショップ探検 ~ Ambrosia 2 ~


何かの折にたびたび書いているが、カナダはオーガニックやナチュラル製品がかなり普及している。日本ではさらに品数が限られているであろう、グルテンフリーやヴィーガン(動物性食品および乳製品も食べない)向け製品も多く、フツーのスーパーにもかなりの品数が置いてある。


あるメルマガからの情報によると、カナダでは人口約8%にあたる約300万人がベジタリアンあるいはヴィーガンとのこと。300万人分の毎日の食事となれば、そう小さなマーケットではない。

私はベジタリアンでもないし、食べ物によるアレルギーもなく、なんの食事制限もしていないししたくないが、添加物や化学品、加工品は避け、出来るだけ自然なものを食べたいとは思っている。
だから時々オーガニックショップに行って買い物をするのだが、私が行くのはそういう健康上の理由だけではない。もうひとつの理由は、、、ある限定されたカテゴリー(ここで言えばオーガニックやヴィーガン)の中で、いろんな製品が生み出される、そのアイデアを見るのが楽しいのだ。
 

白砂糖の代替商品だけで、棚数段分の商品が。

例えば、1ドルショップや日本の100円ショップが楽しいのも同じ理由だ。製品の質はともかく、販売価格が1~3ドル、あるいは100~300円という限定された条件の中で、「そうそう、これがあるとすごく便利!」というようなものや、「よくこんなものをこんな単価で作るなあ」と感心させられるもの、そういうアイデアや品数の豊富さを見るのがとっても楽しい。

地方の特産物を使った製品を開発するのもそうだろう。先月佐渡に行った時、佐渡特産の「柿」を使ったスイーツやお酒が多々あったけど、「必ず柿を使う」という一つの限定の中で生まれるアイデアを見るのが面白かった。

また、私は冷蔵庫に残っているもので何を料理できるか考えるのが結構好きだが、それも限定された条件(食材)の中でのアイデア出し、という意味で似ている。食材一品がお題となる、TV番組「料理の鉄人」も然り。

無から何かを作り出す」あるいは「お金や時間などの制約が何もない状況」で出すアイデアとはまた違った工夫やクリエティビティがそこにはある。
 
野菜の残りを使ったタイ風チャーハン。

さて、なぜオーガニック・ショップが楽しいかを書き始めたら前置きがすっかり長くなってしまったが、先日近所でよく行くオーガニック・ショップのアンブロジア(Ambrosia)でまたいろいろ物色してきたのでここに載せたいなと。

まずは大好きなパンコーナー。グルテンフリーや乳製品を使っていないビーガン向けのパンや、スペルトやカム―トなどの古代穀物を使ったパンが並ぶが、お試しで仕入先を変えているのか、マンネリ化を防ぐためか、行くたびに新しい商品を見るから楽しい。
 
チアシード入りグルテンフリーブレッド&卵無しローフ

卵・砂糖・イースト無しのカム―トの薄いパンとそば粉のラップ

ちょいと大げさな名前に惹かれ?今回買ったのが、下記の「禁断の古代米(黒米)のプンパーニッケル」

見るからに私好みの硬いパン!

プンパーニッケル(Pumpernickel)は、サワー種をライ麦生地で長時間発酵させたドイツ発祥の工法で作った硬めのパン。普通は黒いけど、このパンは米の方の配合が高いのか、赤っぽい色だった。


買ってすぐちょっと齧ってみたら、、、超ボッソボソ(笑)!黒米もそもそもドライな米だものね。「つなぎ」の卵やバター、小麦粉が入っていないから、ちょっと強く触っただけでボロっと崩れるほど。甘さゼロどころが何の味もしないし!

ところが、、、トーストしたら米のしっとり感と甘み、やわらかさが出現!ちゃんと香ばしい、どこか「ご飯のおこげ」を彷彿させるような、素朴な味のパンに早変わり。ほっ。
 
それからスナック。粉ものスイーツのみならず、チップス系も好きな私だが、これらも製品の入れ替わりが激しい。新しい製品に飛びつく客を狙っての戦略だろうが、それにまんまとはまってる客のひとりが私だ。(楽しいからよいのだ!)
 
下の写真は世界をめぐる味。モスコミュール、ニューヨーク・チェダー、コリアンBBQ、、、。ものは試しでモスコミュール味を試したけど、これはイマイチだった、、、。
 

お次は、ビーガンの人が食べられるスナック。スーパーフードのモリンガ、カリフラワー、芽キャベツ、ビーツ、ジャックフルーツ味も!どれも惹かれる。
 


野菜系はだいだいハズレがなく美味しい。
 


醤油味の「あられ」がそのまんまの名前であった!



ジャガイモでなく、熱帯で栽培される芋・キャッサバ(カサバイモ)ベースのチップスも結構ある。ちなみに、キャサバの産地では粉にして小麦粉のように使ったり、発酵させてお酒にしたりも。(芋焼酎っぽいのかな?)

そうそう、タピオカはキャッサバの根っこから作る。燃料用エタノールの原料にもなるから何かと使われる芋なんだなあ。
 
キャッサバ粉。グルテン・穀物・ナッツを避けたい人によい。

で、今回はこのスナックを買ったけど、美味しかった!ビーツとキャッサバのスナックで、山羊のチーズフレーバー。


そしてこれ。騒々しい他のチップスのパッケージと違って、シンプルでかえって目立っていたもの。


商品名になっている「スパッドゥ島(Spud Island)とは、カナダ東部の赤毛のアンで有名なプリンス・エドワード島 (P.E.I) の別称。

"Spud"自体がポテトの別称・愛称なので、ポテトの産地であるP.E.Iがそう呼ばれるわけだ。(アイダホポテトで有名な米・アイダホ州も"Spud State"というニックネームがあるそうだ)

で、このチップスは、P.E.I の良質なポテトだけで作った製品。おお、そういうローカル色たっぷりのもの大好き。買って食べてみたけど、ポテト自体がこくある味で美味しかった!

さて、次は飲み物コーナーに行ってみると、、、。興味を惹かれたのがこれ、ザワークラウトのジュース!

 
家で飲んでみたら、、、ザワークラウトのまんまの味!美味しいし腸活にバッチリだけど、自分でザワークラウト作って出た漬け汁を飲んでいるのと基本同じなので(笑)次回からはわざわざ買うこともないかなと。

ところで発酵モノの健康への効果が認識されているのは各国共通で、一般食品はもちろんサプリメントも発酵モノは多い。
 
発酵させたターメリックとジンジャーのサプリ。効きそ~!

発酵させた、ビーガン対応のプロテインパウダー

発酵だけでなく、こういう専門店では、オーガニック・Non-GMO(非遺伝子組換え)・動物実験無しの製品が標準。
 
Non-GMOは標準
ただ、「オーガニック」と言っても、必ずしも100無農薬・無添加でなく、一定の使用量以下のものにオーガニック認証が与えられている。

商品によっては、ちゃんと細かいオーガニック度の%が表示してあるので(しかもざっくりでなく、81%とか78%とか細かい)徹底的にこだわる人は、ラベルをよーく読むことになる。

オーガニック冷凍食品。オーガニック・コンテンツの%表示がある。

コーシャーやハラール等、特定の宗教のルールに従う人、またグルテンやナッツ、卵等でアレルギーのある人はラベルの確認はマストだろうが、そうでない私のような者がいろんな認証にこだわるのは。キリがないからちょっと大変。

北米内でいろんな認証制度が。

私は前述したように、いまのところ製品のアイデアを楽しみつつ、自分で料理やお菓子を作るときのヒントにしたり、健康や食品への知識を積んでいる程度。

ただ、犬のロウニンと一緒にいると、動物への愛着が湧いてきて、食肉用の動物への扱いや動物実験などが気になっているのは確か。そこはちゃんと情報を得たいところ。

動物実験をしていないというマーク。

それとは別に、年齢的に?くどいものや肉がっつりという食事は、身体が自然に受け付けなくなってきているので、自分にルールを設けなくてもベジタリアンに近い食生活にはなってきている。


日々のおうちごはんって、そもそもそんな感じだものね。自分だけなら、肉や魚をどーんって焼かないもんなあ。お惣菜系で十分。

そうそう、オーガニックものってパッケージデザインやイラストが可愛いから、そんなところも楽しんでいる。
 
かわいいパッケージ

かわいい容器は、中身を食べたあともとっておきたい。

あとは、環境への意識を高めたり。下記は、お店で使われているビニール袋。すべてBio Degradable =土(バクテリア)によって分解される素材のもの。


売っている犬のウンチ袋も土に還る植物性素材。

だから、オーガニック・植物系の製品を見るのがますます楽しい。またお試しレポートをここに載せよう。
* * *

関連エントリ: 
カナダはオーガニック製品の宝庫! Ambrosia  (2017.1 

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